AIエージェント学習帳

AIエージェントの仕組みを、LLMの基礎から設計パターンまで体系的に学べる学習サイト。

← 一覧へ

計画とタスク分解(Planning)

複雑な目標は、一足飛びには達成できません。結論から言うと、計画(Planning)とは、大きな目標を扱いやすい小さなサブタスクに分け、順序立てて進めるための工夫です。Lilian Weng の整理でも、計画はエージェントの中心要素のひとつとされています。

なぜ分解するのか

「論文を調べて要約を書く」のような目標は、いきなり完璧な答えを出すには重すぎます。これを「検索する→読む→要点を抜き出す→文章にまとめる」と分ければ、各ステップは小さく確実になり、途中で軌道修正もしやすくなります。これがタスク分解の狙いです。

Chain-of-Thought との関係

計画の土台にはChain-of-Thought(思考の連鎖)という考え方があります。論文「Chain-of-Thought Prompting Elicits Reasoning in Large Language Models」では、答えだけでなく途中の推論ステップを言葉にさせると、複雑な問題の正答率が上がることが示されました。「順を追って考える」こと自体が、計画立案やタスク分解の基礎になっています。

計画のやり方いろいろ

  • 逐次的な計画: 必要なステップを一列に並べ、上から順に実行する。
  • 階層的な計画: 大きな目標→中くらいの目標→具体的な作業、と段階的に分ける。
  • Plan-and-Execute(計画してから実行): 先にステップ全体の計画を立て、その後でひとつずつ実行する。ReAct が毎回その場で次を決めるのに対し、こちらは見通しを先に作る方式です。

再計画(うまくいかないとき)

現実には、途中で行き詰まったり、観察した結果が想定と違ったりします。そこで重要なのが**再計画(re-planning)**です。「最初の計画に固執せず、得られた情報をもとに計画を立て直す」ことで、エージェントは柔軟に目標へ近づけます。

計画: [検索, 本文取得, 要約]
実行: 検索 → 結果が少ない
再計画: [検索語を変える, 検索, 本文取得, 要約]

まとめ

計画とは、大目標をサブタスクに分解し、逐次的・階層的に進め、必要なら立て直す営みです。その思考の土台が Chain-of-Thought です。次は、計画やループを支える「記憶」と外部知識の活用(RAG)を学びます。

出典